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14.11.12

アリーのエチオピアウルルン滞在記♫ ~現役jaih-s運営委員が海を越え、Global Healthの今を伝える~ 第7回 ~part3~

jaih-sブログをご覧の皆様。

こんにちは。
第七回の青年海外協力隊インタビュー企画最終回であるpart3は、エチオピアの村落開発普及員(現在名称:コミュニティー開発)とセネガルの村落開発普及員にインタビューさせて頂きました。私自身もとても興味のある分野で、コミュニティー開発と一言でいっても、簡単に開発できることなく、とても時間がかかる活動だと思っています。そんな彼女たちの活動や葛藤、楽しんで御覧ください。


    名前  
古泉志保

    職種、任地
村落開発普及員、インジバラ(バハルダールよりバスで2時間半)

    協力隊に志望した理由
社会に貢献したい、海外に住んでみたい、楽しそう。というのが三大理由です。
多分協力隊のことは以前から知っていたと思いますが、特別な技術や資格がいるものだと思っていた気がします。しかし協力隊に応募する1年ほど前に、協力隊でウガンダに行っていたという人に会い、その人が目を輝かせて「楽しかった」と言っていたのが興味を持ったきっかけです。その約1年後、仕事に忙殺される人生に疑問を感じ、応募するに至りました。

    エチオピアでの生活について
 実は私は第一志望がミクロネシアで、南の島でのんびり活動したいと思っていました。が、合格通知に書いてあった派遣国はエチオピア。自分がアフリカに派遣されるほど健康だとは思っておらず、また、エチオピアといえば正直、飢餓と貧困のイメージしかありませんでした。
合格通知を受け取ってから書籍やインターネットでエチオピアについて調べてみましたが、全く持ってネガティブなことしか書かれておらず、せっかく合格したのに辞退しようかと考えていたこともありました。
ネットに書かれていたネガティブなことたちですが・・・・、大体において事実です。まず、ノミダニ南京虫。これはほとんどの隊員がやられていると思いますが、私の肌もかなり虫食いの痕がひどいです。特に69月の雨季には虫たちの活動が活発で、ムヒが手放せません。
そして、主食のインジェラ。好きな人はいいですが、私は未だに苦手です。最初の頃に比べるとかなり食べられるようにはなってきましたが、「腐った雑巾」という形容を否定するつもりはありません。
そんなネガティブなイメージでいっぱいなままやってきたエチオピアですが、村落開発普及員のはずの私の派遣先は意外に町で、インジェラしか出さないとはいえレストランもあるし、住んでいる家には水道も電気もあり、生活には特に不自由していません。足りないものを挙げれば本当にきりがないですが、ある物で満足するということを覚えたというべきか、楽しくやっています。

    どのような活動をしているか
県の水資源局を配属先として、改良かまどの普及活動、SODIS(太陽光を利用した水の殺菌方法)のワークショップ、小学生への手洗い啓発活動を(予定)しています。
現在のところ、何とか進展が見られるのが改良かまどの普及活動で、配属先ではなく、下部組織のワレダ(郡)のスタッフと協力して、改良かまど製作グループの支援をしていこうとしています。こちらのグループは、現在、全ての工程を手作業で行っているため、作業に時間がかかり、かつ重労働です。そのため、ジャイカの隊員支援経費に応募して、製作に必要な道具を買ってもらい、自分はプロモーションに力を入れようとしています。

    やりがい
活動のどれもがまだ準備段階で、これといったやりがいを感じるまでに至っていません。改良かまどの普及活動が何とか進展しようとしているのも、英語が話せてかつ協力的なワレダのスタッフに出会えたおかげです。
これから、製作グループに道具を買うことができ、任地で見かける3点かまどを一つでも多く改良かまどにできたら、ちょっとは自分がここに来た意味があると思えるのではないでしょうか?帰国する頃にはそう思っていたいです。

    葛藤
本当は、全く働かない(ように見える)配属先の同僚に仕事をするように仕向けたいですが、言葉の問題などでそうできないこと。
エチオピアの公務員は、上司から何かするように言われないと全く動かないですし、配属先は州と郡の水資源局の中間的な位置づけのため、郡からレポートを集めて州に提出するというのが主な仕事のようです。
配属先の長だけがいつも会議などで不在の状態であり、たまに配属先にいてもとても忙しそうです。公務員として給料をもらっているからには、一般スタッフにも仕事をしてほしいと思うのですが、いつもお喋り・音楽・ゲーム・映画・お茶のいずれかです。
これらの状況を前にしても、込み入った話ができるほど自分のアムハラ語(エチオピアの公用語)は上達しておらず、一般スタッフの誰一人英語を理解してくれません。
自分の活動も、本当は配属先のスタッフと協力してやっていきたいですが、「やるよ」と言うだけで実際には全く協力を得られていません。その辺が葛藤です。
 
    国際協力についての考え
 協力隊について言えば、配属先に来てみたものの仕事がないという状況はよくあることで、自分もそうでした。赴任時は、住民啓発をしてほしいと言われましたが、1年経ってもそのような機会はありません。
 配属先の誰が協力隊を要請したのか分かりませんが、突然やってきた「チャイナ」(アジア人は全て「チャイナ」だと思われています)が何か協力するよと言っても、スタッフからしてみればそんなことは全く求めていないわけで、求められていない自分が何をすればいいのかは、難しい所だと思います。
 特に私は村落開発普及員という、専門的な技術があるような職種ではないため、何をしたらいいのか、かなり悩みました。「村の開発」と言っても任地は人口25千人の町のため、村人全員と仲良くなって問題点を見つけるというのも無理な話です。また、赴任時に言われた「住民啓発」をする機会がないというのも、赴任から半年以上経ってようやく分かってきたことで、特に私のような初代ボランティアは、配属先の状況を知るだけでもかなりの時間がかかると思います。
 この先8か月の任期で、自分が何かできたらいいとは思いますが、「援助慣れ」しており、かつ、自分たちの状況に何か問題があるとは思っていない人たちを対象として、「協力する」というのは難しいことだと思います。自分が良かれと思ってやったことでも、それが「先進国から来た外国人の押しつけ」でないという保証はどこにもないわけですし。
 という状況の中で、何が協力なのか、自分がやろうとしていることは本当に対象者のためになっているのか、悩みながら手探りでやっていくしかないのかなと思っています。
 むしろ自分が日本に帰った時に、自分が見てきたこと、やってきたことを日本に還元することができたら、それだけでも来た意味はあると思っています。

    保健について
 私の活動計画の一つとして、小学生を対象とした手洗い啓発があります。ですが、私が手洗い啓発をするまでもなく、任地ではユネスコなどの協力で手洗い啓発活動はされているようで、近所の子どもたちに聞いても、皆、手の洗い方は知っています。ですが、じゃあ実際に手を洗っているかというと、全くそんなことはない。大人も同様です。エチオピアでは、手で食事をしますが、食事前には水で手を洗い、食事後に油のついた手を石鹸で洗っているというのが現状です。やはり行動を変容させるというのは難しいことだと思わされます。
 また、日本人の感覚からすると、エチオピア人の衛生観念は驚くほど低いと言わざるを得ません。例えば、地面にまな板を置いて食材を切っているが、そのまな板の上には、その辺を走り回った鶏が乗ってきて、その鶏は、その辺に落ちている赤ん坊のうんちを踏んでいる。といったような具合。抵抗力のある大人はそれでもいいかもしれませんが、子どもやお年寄りには厳しい環境だと思います。
ただ、エチオピア人自身はそれに問題があるとは全く思っていないので、そこに問題があるということをどう伝えていけばいいのか、悩んだまま全く進んでいません。これもまた葛藤の一つです。


    国際協力を目指す人へのメッセージ
来る前に先輩隊員に言われたことですが、「国際協力」をしている人を紹介している記事などを見ると、現地の人と協力し合って、感謝されて、きっと毎日がキラキラしているんだろうなとイメージしてしまうかもしれませんが、実際には全くうまくいかない日々の連続です。こちらに来てそれを実感しています。
 ただ、それでもそれをやりたいというガッツのある人ならば、きっとやりがいを感じることもでき、楽しめるのではないでしょうか。

    ご自由に一言♫
私は「昔から協力隊に行きたかった」とかでは全然なく、主に「異文化経験って楽しそう~」くらいの軽い気持ちで来てしまったので、国際協力とかについて熱く語れません。
 前述しましたが、エチオピアについては来る前にはあまり情報がなく、かつ、少ない情報はネガティブなものが多かったので、来る前には結構悩みましたが、でも、やっぱり来てよかったと思っています。
 言葉、習慣の問題などは多々ありますが、できることは多いはずなので、残りの任期で何かしら残して帰れたらと思います。

なお、興味のある方は、以下のブログもご覧ください。
エチオピア隊員が運営しているブログ
私のブログ


次はセネガルの協力隊員の活動です! 

     名前:藤本めぐみ

    職種:村落開発普及員、派遣国:セネガル共和国 任地:ルーガ州リンゲール県ダーラ市
活動年数:10ヶ月(平成23年度3次隊、派遣期間:20121月~20141月)

     協力隊に志望した理由
志望動機はアフリカの教育現場で現地住民と教育支援活動に携わりたかったからです。大学院での専攻が教育開発で、特にアフリカ地域の教育、住民参加型学校運営に研究関心をもっていて、勉強していく過程で自分の現場経験が足らない事をつくづく認識させられました。今は現場にいるため、どうしてもマクロな視点(任地のみではなく、セネガル全土において考える視点)が欠けてしまいがちですが、両方網羅できるよう日々頑張ります。

     セネガルでの生活について
村落開発普及員という職種なので、任地は田舎、茅葺屋根の家に住む事を覚悟していた私ですが、家はなんと新築アパートです(日本で住んでいたアパートより広いです)。ただ、赴任当初、まだアパートが完成していなくて現地語ウォロフもままならない中での網戸設置等の交渉、電気や水の契約(約1ヶ月かかりました)は大変でした。まさかの住居整備に2ヶ月かかりました。後は、断水(時間帯によります)、停電、インターネットの接続の悪さに慣れるのにも時間がかかりました。今となっては断水、停電になっても気にならないですし、ネットが繋がらなくてもすぐ切り替えて行動できるようになりましたが、赴任当初はめちゃくちゃ心折れていました(笑)。
食事に関して、セネガルでは特に田舎にいけばいくほど、人々へのもてなしの心(テランガ)をもっている人が多く、そのおかげで赴任当初から言語習得も兼ねてよくセネガル人宅でご飯を御馳走になっています。なので、ほとんど食費がかかりません!

     どのような活動をしているか
今、3つの活動を軸に進行中です。
①任地ダーラの中学校と横浜の小学校での学校交流(ジャパンアートマイル国際交流壁画制作プロジェクト)
②村落部小学校中心に環境・衛生教育の授業補佐
③学校運営委員会(CGE)とマイクロファイナンスを通じた学校環境整備及び保護者への啓発活動を行っていく予定です。
①に関して、インターネット、ビデオ等を通じて交流を深め、壁画の共通テーマを決め、1枚の壁画を共同制作します(3月までに壁画完成予定)。9月中旬にセネガルの文化、生活、学校紹介のビデオを作成したものを日本に送りました。今後横浜の小学校から送られてくるビデオを通して、互いの文化理解を深め、壁画の共通テーマを決めていく予定です。
②に関して、村落部は10月から学校開始となっていますが、先生の異動や新入生の受入等で本格的に授業開始するのが11月になるそうです(今年は特に1026日にイスラム教一大行事、タバスキ(犠牲祭)の影響で学校がほとんど開校していませんでした)。なので、今はJICAの環境教育マニュアルやインターネット上から情報収集し、授業で使えそうなネタ集めをしています。
③に関して、この活動において2つの項目に分けて今後進めていきたいと考えています。
(1) 学校環境改善(水、電気、セキュリティ、学校菜園、学校給食の有無等)に向けて、各小学校の問題分析するため、11月からMelakh小学校の校長先生と一緒にアンケート調査を実施する予定です。現在、ダーラ市内12校、チャメヌ村地域の23校、計35校を対象に考えています。アンケート集計後、Melakhの校長先生と一緒に集計結果をもとにその後の対策や研修等を考えていく予定です。
(2)マイクロファイナンス(MF)事業を行っている村を一つ選出し、モデル村としてMF事業の収益の一部を学校運営費、教育費の増加に繋げていけたらと思っています。そのためにまずは村グループ(女性グループ、青年グループ、経済活動グループ)におけるMF事業把握、CGEの活動状況把握し、保護者の教育に対する意識調査を行っていきたいと思っています。この活動においては、カウンターパートのような存在になりつつ、協力的な人が現れたので、今後一緒に話し合いながら進めていけたらと思っています。

     やりがい
活動のやりがいは自分の活動に興味もってくれる生徒、協力的な校長先生、教師、友人の存在です。一人でどれだけ頑張っても協力者なしに人を動かす事、今後継続的な活動していく事は難しいです。また、私の活動の中で目に見える成果が出るには時間がかかります。もしかしたら色んな状況から失敗する可能性も無きにしも非ず・・ですが、一緒に活動進めていく仲間達と切磋琢磨しながらやっていきたいと思います。

     葛藤
異文化、様々な価値観の違いにおいて日々葛藤です。上記で少し触れましたが1026日開催のタバスキ(犠牲祭)の影響でなかなか学校自体が開校しておらず、学校訪問・巡回すらできない状態が続いていました。既に10月から時間割が組まれているはずなのに先生達、生徒達は学校に来ません。彼らが宗教行事を大事にしている事は理解できますが、だからといって「教育」を疎かにしていいわけではありません。こういった状況から活動のスケジューリングをしても計画通りにいかないし、活動がなかなか進まないというジレンマを日々抱えています。

    国際協力についての考え
「国際協力」とは私の中では途上国に対して行う政府機関、国際機関における資金・技術援助。しかし、現場にいると、どの機関であれ似ているプロジェクトが存在していたり、援助競争をしているように見える時があります(あくまで主観です)。今よく多機関との「援助協調」の必要性が述べられていますが、まさしく今後効率的かつ持続的に協力していくうえでも「援助協調」が重要であると思われます。

国際協力を目指す人へのメッセージ
国際協力の仕事を志すのであれば、早いうちから興味ある分野(教育、保健・衛生、農業、金融等)を絞り、語学力(英語だけに限らず他の言語も)を鍛える事をお勧めします。また実務経験を積む上でも2年間の青年海外協力隊経験はかなり有効的だと思っています。2年間現場に滞在でき、現地の生活、人、文化、価値観等を知り、実際に政府機関、国際機関のプロジェクトの動向も見れる機会はなかなかありません。現地で生活し、現地の人と一緒に活動していく事は決して容易ではありませんが、国際協力に興味ある人には是非、青年海外協力隊として現場に来ることをお勧めしたいです。

ご自由に一言
もうすぐセネガルに来て1年経とうとしています。残りの任期、悔いが残らないよう活動頑張ります!




いかがでしたでしょうか。
長期滞在されている協力隊員だからこそ感じられること、葛藤することがあるのだと思います。現地の人と同じように生活し、現地の人のために、現地の人と共に活動していく姿はとても素敵だと思いました。

これでインタビュー企画は終了しますが、次回はエチオピアの母子保健についてお話させて頂きたいと思います。