ページ

15.7.12

アリーのエチオピアウルルン滞在記♫ ~現役jaih-s運営委員が海を越え、Global Healthの今を伝える~ 第3回+第4回


お待たせしました♫ 今回は都合上、第3回エチオピアの援助状況と第4回エチオピアの保健システムの2回分をお話させて頂きます。国際機関、ODA(Official Development Assistance)NGOの援助について保健分野を中心に、エチオピアで行われている国際協力についてと、エチオピアの保健についてお話しします♫

ODAとは・・?】
 Official Development Assistance(政府開発援助)。政府または政府の実施機関によって開発途上国または国際機関に供与されるもので、開発途上国の経済・社会の発展や福祉の向上に役立てるために行う資金・技術提供による協力のことです。




日本がODAを供与したことがある国は、世界で計185ヶ国。2001年まではODA実績は世界でトップでしたが、その後額は減少し、今現在は世界第5位となっています。
エチオピアに対しては、食料安全保障の確立や貧困削減に資する分野に重きにおいて支援を実施しております。2004年から2007年までの4年の間に、無償資金協力で147.9 億円、技術協力では51.8 億円をエチオピアに供与しています。2005 年度には、国際選挙及び地方議会選挙が行われ、その結果を巡って野党支持者によるデモ発生がおこり、日本から債務救済(16.7 億円)も行われています。

無償資金協力・・開発途上国等に資金を贈与する援助形態であり,開発途上国が経済社会開発のために必要な資機材,設備およびサービスを購入するために 必要な資金を贈与するもの
技術協力・・開発途上国の社会・経済の開発の担い手となる人材を育成するため,日本の技術や技能,知識を開発途上国に移転し,あるいは,その国の実情にあった適切な技術などの開発や改良を支援するとともに,技術水準の向上,制度や組織の確立や整備などに寄与する援助形態
債務救済・・深刻な債務問題を抱える途上国の債務を救済する

2004年までエチオピアのODA受取額はサブサハラアフリカの中で1位でした。現在でもサブサハラアフリカ内では受給額は2位、全世界でも5位とODAの受給額は上位です

下のグラフをご覧下さい。

図表1:ODA ドナー別援助額推移(対エチオピア)
 (出典:OECD, Creditor Reporting System Online Database)

ODA額をみるとアメリカが断トツですね。アメリカはHIV/AIDS分野への支援を中心に行なっています。これは、ブッシュ前大統領のイニシアティブによって行われてきました。また、食糧危機への支援としてPSNP: Productive Safety Net Program (参照:http://www.dagethiopia.org/index.php?option=com_content&view=article&id=24&Itemid=17) への支援も実施しています。2009年よりオバマ政権が農業開発及び食料安全保障を重視する方針を打ち出し、ポテンシャルの高い地域に対する農業生産性向上への支援、ソマリ州といった辺境地への支援、深刻な食料危機に直面する脆弱な地域への支援の3
のに重きをおいている。


私がいるバハルダール(首都から飛行機で1時間)ではよくUSAID: U.S. Agency for International Development (参照:http://www.usaid.gov/)の看板を見つけます。
USAID1961年にアメリカのほぼ全ての非軍事の海外援助を行う政府組織です。グローバル開発アライアンス、経済成長・貿易振興・農業開発、保健、紛争及び人道援助の4つの柱とし、海外の人々に援助をしています。

 アメリカ以外は、欧州の国がエチオピアに対する援助の上位を占めています。ドイツはエチオピアを同国最大の援助国と位置づけています。また上位ではありませんが、中国は農業やインフラ整備の分野でエチオピアに援助をしています。
バハルダールでは、どんな外国人通ってもエチオピア人は「China!China!」と呼びます。
最初は日本人と中国人の区別がつかないからだと思っていましたが、スペイン人の友達もそう言われると聞いて、外国人イコール中国人という意識なんだろうなと思うようにしました。どこに行っても中国のパワーを感じます。

さて、次は国際機関の援助動向です。下のグラフをご覧下さい。


図表2:国際機関の援助動向(2000~2008)
(出典:OECD, Creditor Reporting System Online Database)
【用語】
IDA:国際開発協会
AfDF: アフリカ開発基金
EC: 欧州委員会
UNICEF: 国連児童基金
Global Fund: 世界基金
IFAD: 国際農業開発基金
UNFPA: 国際連合人口基金
GAVI: ワクチンと予防接種のための世界同盟

グラフを見ると一目瞭然ですが、国際機関による支援では低所得国を対象とするIDAEU(欧州共同体委員会)、AfDBなどの世界銀行グループからの支援が主となっています。
国連機関ではUNICEFUNDP(国連開発計画)が主に援助を行なっています。他にも感染症対策基金として、Global Fundも感染症対策に対する援助を行っています。一方エチオピアでは慢性的な食糧援助を必要としている地域があり、WFP(国際連合世界食糧計画)が継続して支援を行っており、日本も緊急援助を行なっています。

日本のエチオピアに対する援助を見ると、重点的に5分野を支援しています。
下記がその5分野とOECD-DAC(経済協力開発機構開発援助委員会)の加盟国22ケ国中の順位です。
1. 農業・農村開発  4/22
2. 生活用水管理       4/22
3. 社会経済インフラ  7/22
4. 教育                 11/22
5. 保健                 7/22

色々な分野を様々なドナーが援助していますが、本当に必要な援助は一体何なのだろうか・・?ここに来て私はよく思います。どんな援助も公平に行き渡ることはありません。
これだけ援助が入っているエチオピアでも、田舎に行けば「お金がない」「目がおかしい」「食べていけない」という言葉を耳にします。中国がエチオピアで二毛作をさせるために灌漑ダムを作りましたが、これまでずっと一年のリズムで生きてきたエチオピア人にとって、この二毛作がどう彼らの生活に影響するのか。単発のキャンペーンで雇われたエチオピア人は、そのキャンペーンが終わった後どうすればいいのか。援助による弊害も多くあるのです。

エチオピアの保健について

エチオピア政府の目標は、「医学の治療の側面を無視することなく、病気予防の側面に焦点をあてて、コミュニティレベルの包括的かつ統合さやプライマリーヘルスケアを与えるヒールケアシステムを持つこと」です。エチオピア政府はコスト効果的かつ効果的なシステムへの保健サービス・システムの改革を模索してきました。

エチオピア政府は、1998年に保健セクター開発プログラム(HSDP: Health Sector Development Program)を立ち上げ、主にHIV/AIDSの健康問題を取り上げ、国民の大多数が住む農村に重点を置いています。
HSDPでは、
・ケアの健康サービスの提供と品質
・保健施設リハビリテーションと拡張
・人材育成
・医薬サービスを強化
・情報、教育とコミュニケーション
・健康管理情報システム
・ヘルスケアの資金調達
この8つに焦点を当てていました。現在では、2011年から2014年まで行われる第4次セクター開発プログラム(HSDP IV)を実施しています。
HSDP IVが掲げているミッションは、
To reduce morbidity, mortality and disability and improve the health status of the Ethiopian people through providing and regulating a comprehensive package of promotive, preventive, curative and rehabilitative health services via a decentralized and democratized health system.
ヘルスシステムの地方分権を通して、エチオピアの人々健康状態を改善し死亡率を減少させることを目的としています。
地方分権には力を入れており、先日マラリアの蔓延が発生した際、コミュニティー、郡、県、州と各レベルにおいてそれぞれがすべきことを改めて確認していました。WHOUNICEFのドナーもマラリア対策会議に参加し、皆一丸となってマラリア対策に奮闘していました。

エチオピアでは、1人あたりの外来の来診数は0.36であり、施設分娩も全出産の5%という低い数値が問題となっています。保健サービスへのアクセス改善が一番大きな課題となっています。HSDP開始後、ヘルスポストの数、病院の数、医療重視者の数は確実に増え続けており、アクセス改善に努めています。
2004年から2009まで行われていたHSDPIII の主要な目的は以下の8点でした。
1.2008 年までにプライマリーヘルスケアの完全普及
2.妊産婦死亡率を出生数 100,000 に対して 871 から 600 に改善
3.5 歳未満死亡率を出生数 1,000 に対して 140 から 85 に改善。1 歳未満の乳児死
亡率を出生数 1,000 に対して 97 から 45 に改善
4.出生率を 5.9%から 4%に低下
5.成人の HIV 発症率を 0.68 から 0.65 に改善し、HIV の有病率を 4.4 に維持
6.マラリアに起因する死亡を 22%から 10%に低下
7.5 歳以上のマラリア致死率を 4.5%から 2%に削減、5 歳未満の同致死率を 5%か
2%に低減
8.結核に起因する死亡を 7%から 4%に低減

MDGsも残り3年で終わってしまいますが、エチオピアはどこまで達成していけるのか今後の達成具合がとても気になります。

少しざっくりした書き方になってしまいましたが、質問がある方はいつでもコメント欄に記入して下さい♫ 




ぷちおまけ1
私のインターン先の周りには犬が数匹いるのですが、最近1匹のお母さんが4匹の子犬を産みました。とっても可愛いのだけれど、繁殖は早すぎて手をやくのも事実・・。
野良犬が多いので、狂犬病が多いのです。




こんな顔だけが黒い犬も・・・。見て爆笑してしまいました

次回もお楽しみに♫♫

0 件のコメント:

コメントを投稿